【母体の食と統合失調症】

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    JUGEMテーマ:精神医学(psychiatry)

    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

     

    母体の食と統合失調症
    第二次世界大戦末期にオランダのアムステルダムでは,ナチスドイツによって陸路が封鎖された影響により一時的に極端な食料不足に陥り,食料配給は一人当たり一日1000kcal以下でした。

     

    この飢餓の時期に母親の胎内にいた子どもが成人した際,統合失調症の発症率は約2倍1),反社会性人格障害も2.5倍2)に増加したといいます。

     

    また,1959〜61年にかけて中国でも大飢饉が起こりましたが,この時期に母親の胎内にいた子どもが成人に達した際にも,統合失調症の発症率が約2倍になったという報告があります3)。

     

    DHAなどの脂肪酸は,母体から胎盤を通じて胎児に供給され,その量は母体の血中濃度に依存することが報告されています4,5)。

     

    統合失調症やうつ病などの精神疾患に,DHAやエイコサペンタエン酸 (EPA)といった脂肪酸が効果的であるという知見6)から,
    胎児期における脂肪酸の供給が,脳の発生,発達期に重要な栄養素の一つであり,
    胎児期の脂肪酸などの栄養不良が神経回路の形成障害をもたらし,将来の精神疾患発症の脆弱性に関係するのではないかと考えられています。

     

    1) Susser, E. S. & Lin, S. P., Arch. Gen. Psychiatry, 49, 983-8 (1992) .

      Schizophrenia after prenatal exposure to the Dutch Hunger Winter of 1944-1945.


    2) Neugebauer, R., Hoek, H. W. & Susser, E., JAMA, 282, 455-462 (1999) . 

        Prenatal Exposure to Wartime Famine and Development of Antisocial Personality Disorder in Early Adulthood


    3) St Clair, D. et al., JAMA, 294, 557-62 (2005) . 

        Rates of adult schizophrenia following prenatal exposure to the Chinese famine of 1959-1961.


    4) Innis, S. M., J. Pediatr., 143, S1-8 (2003) .

        Perinatal biochemistry and physiology of long-chain polyunsaturated fatty acids.


    5) Elias, S. L. & Innis, S. M., Am. J. Clin. Nutr., 73, 807-14 (2001)

        Infant plasma trans, n−6, and n−3 fatty acids and conjugated linoleic acids are related to maternal plasma fatty acids, length of gestation, and birth weight and length


    6) 斎藤淳&秋山一史,精神科, 14, 419-30 (2009) .

      <Brain Science69> オメガ-3 脂肪酸(DHA, EPA)と精神疾患

     

     

    大隅 典子,オレオサイエンス 第11巻 第10号(2011)

    高度不飽和脂肪酸および脂肪酸結合タンパ ク質の神経新生に対する役割

     

     


    【慢性炎症とうつ病】

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      JUGEMテーマ:精神医学(psychiatry)

      JUGEMテーマ:食事・栄養療法

       

      慢性炎症とうつ病
      神経変性疾患,精神疾患はいずれも慢性炎症が病態に深く関与しており 1,2),また慢性疾患のリスク要因である加齢でも,細胞あるいは組織の加齢に伴う慢性炎症が関与するとされます 3)。

       

      炎症が病的に持続する慢性炎症では,心理社会的ストレス,肥満,睡眠障害などが要因となり,血管内皮細胞やマクロファージ等が持続的に活性化した結果,産生・放出された炎症性サイトカイン(IL-1βやTNFαなど)が炎症を持続的に増幅させる機序が基盤と考えられています 4,5)。

       

      慢性炎症とうつ病の関連についての報告は相次いでおり 8),幼少期に血清IL-6濃度が高いほど,青年期にうつ病を発症するリスクが濃度依存的に高まると報告され6),幼少期の心理社会的ストレスが免疫系に長期的に影響を及ぼす可能性が示唆されています。

      またうつ病患者において,ベースラインの血清 CRP 値が,SSRIであるエスシタロプラムあるいは三環系抗うつ薬ノリトリプリリンの治療反応性を特異的に予測すると報告され7),抗うつ薬を選択する上で CRP値が有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆されています。

       

      1)Haroon E, Raison CL and Miller AH(2012)Psychoneuroimmunology meets neuropsychopharmacology:translational implications of the impact of inflammation on beh avior. Neuropsychopharmacol, 37:137─ 162.


      2)溝口義人,門司 晃(2014)慢性炎症と気分障害.分子精神医学,14:30-34.


      3)Tchkonia T, Zhu Y, van Deursen J, et al(2013) Cellular senescence and the senescent secretory phenotype:therapeutic opportunities. J Clin Invest, 123:966-972.


      4)Nathan C and Ding A(2010)Nonresolving inflammation. Cell, 140:87-882.


      5)Tabas I and Glass CK(2013)Anti-inflammatory therapy in chronic disease:challenges and opportunities. Science, 339:166-172.


      6)Khandaker GM, Pearson RM, Zammit S, et al(2014)Association of serum interleukin 6 and C-reactive protein in childhood with depression and psychosis in young adult life:a population-based longitudinal study. JAMA Psychiatry, 71:1121-1128.


      7)Uher R, Tansey KE, Dew T, et al(2014)An inflammatory biomarker as a differential predictor of outcome of depression treatment with escitalopram and nortriptyline. Am J Psychiatry, 171:1278─ 1286.


      8)Tchkonia T, Zhu Y, van Deursen J, et al(2013)Cellular senescence and the senescent secretory phenotype:therapeutic opportunities. J Clin Invest, 123:966-972.

       

      溝口義人,鍋田紘美,今村義臣,原口祥典,門司晃,免疫系と精神疾患,Japanese Journal of Biological Psychiatry Vol.27, No.1, 2016

       


      【うつ病は認知症の発症リスク】Dr.奥平の栄養漢方治療講座<その他>

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        JUGEMテーマ:食事・栄養療法

        JUGEMテーマ:認知症

         

        うつ病は認知症の発症リスク


        高齢者のうつ病では、うつ病からアルツハイマー型認知症に移行する人が非常に多い。

        若い時のうつ病の発症も認知症のリスクにつながります。

        認知症の予防は、うつ病の予防からはじめてみましょう。

         

        ”腎へのストレス
        ∨性炎症 を減らす生活。

         

        タバコ、運動不足、社会的孤立、糖尿病、オメガ3(EPA・DHA)が少ない食生活 などに注意してみよう。

         

         

        出典)

        Eur J Pharmacol. 2010 Jan 10;626(1):64-71. doi: 10.1016/j.ejphar.2009.10.022. Epub 2009 Oct 18.

        Depression and Alzheimer's disease: neurobiological links and common pharmacological targets.

        Caraci F1, Copani A, Nicoletti F, Drago F.

         

         

        ◆奥平智之FBグループ

         日本栄養精神医学研究会

         食事栄養療法俱楽部

         【テケジョ=鉄欠乏女子】

         

        ◆奥平智之著書

         マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

         単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
         奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

         

        ◆奥平智之連載

         精神看護にて2018年03月号から2年間予定

         2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
         2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

        1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
        2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

        【神経細胞とグリア細胞】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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          JUGEMテーマ:食事・栄養療法

           

           

          神経細胞とグリア細胞
          「人間は脳の1割ほどしか有効に使っていない」という俗説(脳の10パーセント神話)がありますが、これはグリア細胞の機能がよくわかっていなかった時代に、働いている細胞は『神経細胞』だけという思い込みから広まったものと言われています。

          脳スキャン画像が示すところによると、人間の脳は何をしている時でもすべての領域が活発に働きます。睡眠中であっても脳のすべての部分にある程度の活動が認められます。

          最近では脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損など何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあまり使われていない部分は代替的または補助的に活用されている可能性があると考えられています。

           

          ★ヒトの脳は、1000億個の『神経細胞(ニューロン)』と、
          その10倍以上の数の『グリア細胞』から構成されています。

           

          《3種のグリア細胞》
          ミクログリア
          中枢系の免疫担当
          中枢神経系に存在する常在性マクロファージとも呼ばれる
          病態時には、細胞体の肥大化や細胞増殖を伴い活性化状態となる


          オリゴデンドロサイト
          神経伝達速度を上げるためのミエリン鞘をつくる


          アストロサイト
          星のような外見
          神経栄養因子をつくったり、グリコーゲンを貯蔵し、エネルギー源としてニューロンに供給するなどして神経細胞に栄養を与えたり、過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに除去することにより、神経細胞の生存と働きを助ける
          脳を有害物質から守る血液脳関門をつくる
          睡眠時に脳から有害物質を取り除く
          シナプス伝達効率や局所脳血流の制御

          日本生物物理学会 参照

           

           

           

          ◆奥平智之FBグループ

           日本栄養精神医学研究会

           食事栄養療法俱楽部

           【テケジョ=鉄欠乏女子】

           

          ◆奥平智之著書

           マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

           単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
           奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

           

          ◆奥平智之連載

           精神看護にて2018年03月号から2年間予定

           2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
           2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

          1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
          2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

          【脳の細胞はどうなってる???】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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            JUGEMテーマ:精神医学(psychiatry)

            JUGEMテーマ:食事・栄養療法

             

            脳の細胞はどうなってる???


            ヒトの脳は、1000億個の神経細胞(ニューロン)と、
            その10倍以上の数の「グリア細胞」から構成されています。

             

            《3種のグリア細胞》
            ミクログリア
            中枢系の免疫担当
            中枢神経系に存在する常在性マクロファージとも呼ばれる
            病態時には、細胞体の肥大化や細胞増殖を伴い活性化状態となる


            オリゴデンドロサイト
            神経伝達速度を上げるためのミエリン鞘をつくる


            アストロサイト
            星のような外見
            神経栄養因子をつくったり、グリコーゲンを貯蔵し、エネルギー源としてニューロンに供給するなどして神経細胞に栄養を与えたり、過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに除去することにより、神経細胞の生存と働きを助ける
            脳を有害物質から守る血液脳関門をつくる
            睡眠時に脳から有害物質を取り除く
            シナプス伝達効率や局所脳血流の制御

             

            日本生物物理学会 参照

             

            ※「人間は脳の1割ほどしか有効に使っていない」という俗説(脳の10パーセント神話)がありますが、これはグリア細胞の機能がよくわかっていなかった時代に、働いている細胞は神経細胞だけという思い込みから広まったものと言われています。

            脳スキャン画像が示すところによると、人間の脳は何をしている時でもすべての領域が活発に働きます。睡眠中であっても脳のすべての部分にある程度の活動が認められます。

            最近では脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損など何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあまり使われていない部分は代替的または補助的に活用されている可能性があると考えられています。

             

             

             

            ◆奥平智之FBグループ

             日本栄養精神医学研究会

             食事栄養療法俱楽部

             【テケジョ=鉄欠乏女子】

             

            ◆奥平智之著書

             マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

             単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
             奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

             

            ◆奥平智之連載

             精神看護にて2018年03月号から2年間予定

             2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
             2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

            1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
            2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

            【うつ状態と栄養】 Dr.奥平*精神科医のひとり言

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              JUGEMテーマ:食事・栄養療法

               

              【うつ状態と栄養】 


              うつ状態に対する栄養療法として、葉酸を補助薬として使用する治療の有効性が報告されています1)。

               

              現在,食事から摂取できる栄養素の中でうつ状態との関連が示唆されているのは,DHA・EPA・α-リノレン酸等の n-3 系脂肪酸 1),葉酸を含むビタミンB 群です1)2)。

               

              葉酸 は メチオニンの代謝系でメチル基を供給する重要な栄養素です。経口摂取したアミノ酸から生じる有害なホモシステイン の代謝には葉酸,ビタミン B2,ビタミン B6,ビタミン B12が不可欠であり,これらの栄養素が欠乏することによって有害な血中ホモシステインが増加します3)4)。

               

              さらに,こうした反応には メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(以下,MTHFR)遺伝子多型が影響しており,MTHFR TT 型はその酵素活性が低下し,食品から十分に葉酸を摂取していても,低葉酸,高ホモシステイン血症 を招きやすいことが 300 人の日本人を分析して解明されました4)。
               
              1) Sarris J, Schoendorfer N, Kavanagh DJ. (2009) Major depressive disorder and nutritional medicine: a review of monotherapies and adjuvant treatments. Nutr Rev 67: 125-131. [陣内 瑶,山口律子共訳 香川靖雄監修(2009)大うつ病性障害と栄養医学:単剤療法と補薬療法についての再評価.栄養学レビュー 18, 30‒8.]


              2) Murakami K, Sasaki S (2010) Dietary intake and depressive symptoms: a systematic review of observa tional studies. Mol Nutr Food Res 54: 471‒88.


              3)久田哲也,石川俊次,大鈴文孝(2000)ホモシステインの測定意義.臨床栄養 96(臨時増刊号), 686‒90.


              4) Hiraoka M, Kato K, Saito Y, Yasuda K, Kagawa Y (2004) Gene-nutrient and gene-gene interactions of controlled folate intake by Japanese women. Biochem Biophys Res Commun 316: 1210‒6.


              日本栄養・食糧学会誌 第64巻 第4号 229‒238(2011)
               

               

               

               

              ◆奥平智之FBグループ

               日本栄養精神医学研究会

               食事栄養療法俱楽部

               【テケジョ=鉄欠乏女子】

               

              ◆奥平智之著書

               マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

               単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
               奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

               

              ◆奥平智之連載

               精神看護にて2018年03月号から2年間予定

               2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
               2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

              1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
              2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

              【脳の「ミクログリア」ってなに??】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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                JUGEMテーマ:食事・栄養療法

                 

                【脳の「ミクログリア」ってなに??】


                語源:Glue(のり・接着剤)から由来しています

                中枢神経系グリア細胞(マクロファージ)の一つです

                中枢の唯一の「免疫担当細胞」

                 

                役割
                A.シナプスの形成と除去
                B.アポトーシスした細胞の除去 など

                脳には
                .縫紂璽蹈(2割:電気的な活動を担う)と
                ▲哀螢∈挧(8割)

                があります。

                グリア細胞は3つ。
                .▲好肇蹈汽ぅ函ΑΑΕ縫紂璽蹈鵑汎韻犬外胚葉由来
                ▲リゴデンドロサイト・・・ニューロンと同じく外胚葉由来
                ミクログリア・・・中枢ではまれな「中胚葉」に由来

                 

                ★ミクログリアは、病態や障害において、細胞体の肥大化や細胞増殖を伴って形態を大きく変化させ,「活性化型のミクログリア」へと変化します。

                 

                ★統合失調症の患者では,
                血清サイトカイン濃度上昇・酸化ストレスマーカーの異常などの報告から,その病態には「酸化ストレス・神経免疫系」の機序の関与が示唆され,最新の動物実験でも「酸化ストレス」との関連が示唆されています(1-3)。

                統合失調症患者に,
                々咳蠑斌堯↓抗酸化剤
                さらには,ミクログリア活性化の抑制作用を有するCOX2 阻害薬やす垣己質ミノサイクリンを投与することで精神症状が改善したという報告あります(4-7)。

                ミクログリア活性化は,サイトカイン,フリーラジカルなどの生体内物質を通じて,統合失調症の病態生理・精神症状形成に重要な役割を担っている可能性があるため,「ミクログリア活性化を制御すること」が新しい統合失調症の治療につながる可能性があります。

                 

                ★また、自閉症関連疾患の患者の背外側前頭前皮質において13人のうち9人に「ミクログリアの活性化」が認められ,白質では細胞体の体積が増加し,灰白質では細胞の密度が上昇していたという報告もあります(8)。

                 

                1)Frank MG, Baratta MV, Sprunger DB, et al(2007) Microglia serve as a neuroimmune substrate for stress−induced potentiation of CNS pro−inflammatory cytokine responses. Brain Behav Immun, 21 : 47−59


                2)Sugama S, Fujita M, Hashimoto M, et al(2007) Stress induced morphological microglial activation in the rodent brain ; involvement of interleukin−18. Neuroscience, 146 : 1388−1399. 


                3)Sugama S, Takenouchi T, Fujita M, et al(2009) Differential microglial activation between acute stress and lipopolysaccharide treatment. J Neuroimmunol, 207 : 24−31.


                4)Akhondzadeh S, Tabatabaee M, Amini H, et al(2007)Celecoxib as adjunctive therapy in schizophrenia; a double−blind, randomized and placebocontrolledtrial. Schizophr Res, 90 : 179−185.


                5)Levkovitz Y, Mendlovich S, Riwkes S, et al(2010)A double−blind, randomized study of minocycline for the treatment of negative and cognitive symptoms in early− phase schizophrenia. J Clin Psychiatry, 71 : 138−149.


                6)Miyaoka T, Yasukawa R, Yasuda H, et al(2008)Minocycline as adjunctive therapy for schizophrenia; an open−label study. Clin Neuropharmacol,31 : 287−292.


                7)Ng F, Berk M, Dean O, et al(2008)Oxidative stress in psychiatric disorders ; evidence base and therapeutic implications. Int J Neuropsychopharmacol, 11 : 851−876.


                8 ) Morgan, J. T., Chana, G., Pardo, C. A. et al.: Microglial activation and increased microglial density observed in the dorsolateral prefrontal cortex in autism. Biol. Psychiatry, 68, 368-376 (2010))

                 

                加藤隆弘:Japanese Journal of Biological Psychiatry Vol.21, No.4, 2010
                 

                 

                 

                 

                ◆奥平智之FBグループ

                 日本栄養精神医学研究会

                 食事栄養療法俱楽部

                 【テケジョ=鉄欠乏女子】

                 

                ◆奥平智之著書

                 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

                 単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
                 奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

                 

                ◆奥平智之連載

                 精神看護にて2018年03月号から2年間予定

                 2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )

                   2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

                1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
                2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

                   


                【自閉症・統合失調症のリスク要因とグルタミン酸】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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                  JUGEMテーマ:食事・栄養療法

                   

                  自閉症・統合失調症のリスク要因とグルタミン酸
                  統合失調症 の主要な仮説の1つとして,「神経発達障害仮説」があります.
                  統合失調症患者では,海馬・扁桃体の細胞構築の異常や萎縮,側脳室・第掲昭爾粒搬腓認められます.
                  グルタミン酸トランスポーターの機能障害が統合失調症に似た神経発達障害を引き起こすのではないかという仮説を考えました.

                   

                  統合失調症患者で遺伝子異常が報告されている
                  グリア型グルタミン酸輸送体(GLASTおよびGLT1)の両者を欠損させたダブル欠損マウス(DKマウス)を作製し,脳形成期における『グルタミン酸機能亢進状態』を再現しました(1).

                   

                  DKマウスは胎生17日以降に死亡し,大脳皮質・海馬の層形成障害,扁桃体の核形成障害,側脳室・第掲昭爾粒搬腓覆錨合失調症に似た神経発達障害を示しました.

                  これらの脳発達障害は,グルタミン酸受容体NR1の欠損により正常化されました(2).


                  さらに,DK マウスの脳では,視床に神経細胞死が見られました.
                  統合失調症患者では,視床の体積減少,課題遂行中の血流低下,代謝異常が報告されています.

                  以上の結果は,胎児期のグルタミン酸トランスポーターGLAST・GLT1の機能障害は,統合失調症に似た神経発達障害を起こすことを示しています.

                   

                  また,統合失調症のリスク要因として報告されている
                  胎児期・周産期の栄養障害(3),
                  脳虚血(4),
                  ウイルス感染(5,6)
                  は,グルタミン酸トランスポーター の機能を阻害することが知られています.

                   

                  これらのことは,アストロサイトに発現するグルタミン酸トランスポーターの機能障害は,統合失調症の発症に関与することを示しています.

                   

                  最近,統合失調症の発症危険状態を発症へと移行させる要因として,『海馬における細胞外グルタミン酸濃度の上昇』が報告されました(7).

                   

                  グルタミン酸トランスポーターGLT1を可逆的に欠損させるのマウスの解析は統合失調症の発症危険状態を発症へと移行させる分子機序を解明するのに貢献すると期待されます.


                  統合失調症の発症危険状態を発症へと移行させる機序の解明は,早期介入による統合失調症の発症予防法の開発に役立つと考えられます.

                   

                  また、自閉症は,社会性行動の喪失や言語発達の遅延を特徴とする脳高次機能の発達障害です.
                  『グルタミン酸神経伝達系の亢進』は自閉症の重要なリスクであり,脳の形成に極めて重要な役割を持ちます.
                  自閉症様の行動を示す脆弱X症候群や結節性硬化症の患者では,グルタミン酸神経伝達の亢進が報告されています.

                  自閉症のゲノムワイドな連鎖解析により,11番染色体の11p12-13が自閉症に関連があることが明らかになりました(8).この領域はGLT1の遺伝子座です.

                   

                  ★自閉症や統合失調症の病態の解明が進み、新たな治療法が一日も早く確立されますように!

                   

                  1)Matsugami TR, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2006;103:12161- 12166.


                  2)Aida T, et al. PloS One. 2012;7:e36853. 


                  3)Eyles D, et al. J Steroid Biochem Mol Biol. 2007;103:538-545. 


                  4)Raymond M, et al. J Neurosci. 2011;31:17864-17871. 


                  5)Fotheringham J, et al. J Neuroimmune Pharmacol. 2008;3:105- 116. 


                  6)Costello DA, et al. Hippocampus. 2013:23;696-707. 


                  7)Schobel SA, et al. Neuron. 2013;78:81-93.


                  8)Autism Genome Project Consortium, et al. Nat Genet. 2007;39:319-328.


                  日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)142,291〜296(2013)

                   

                   

                   

                  ◆奥平智之FBグループ

                   日本栄養精神医学研究会

                   食事栄養療法俱楽部

                   【テケジョ=鉄欠乏女子】

                   

                  ◆奥平智之著書

                   マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

                   単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
                   奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

                   

                  ◆奥平智之連載

                   精神看護にて2018年03月号から2年間予定

                   2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )


                  【うつ状態と栄養】Dr.奥平の栄養精神医学講座<その他>

                  0

                    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

                     

                    うつ状態と栄養】 
                    うつ状態に対する栄養療法として、葉酸を補助薬として使用する治療の有効性が報告されています1)。

                     

                    現在,食事から摂取できる栄養素の中でうつ状態との関連が示唆されているのは,DHA・EPA・α-リノレン酸等の n-3 系脂肪酸 1),葉酸を含むビタミンB 群です1)2)。

                     

                    葉酸 は メチオニンの代謝系でメチル基を供給する重要な栄養素です。経口摂取したアミノ酸から生じる有害な ホモシステイン の代謝には葉酸,ビタミン B2,ビタミン B6,ビタミン B12が不可欠であり,これらの栄養素が欠乏することによって有害な血中ホモシステインが増加します3)4)。

                     

                    さらに,こうした反応には メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(以下,MTHFR)遺伝子多型が影響しており,MTHFR TT 型はその酵素活性が低下し,食品から十分に葉酸を摂取していても,低葉酸,高ホモシステイン血症 を招きやすいことが 300 人の日本人を分析して解明されました4)。
                     
                    1) Sarris J, Schoendorfer N, Kavanagh DJ. (2009) Major depressive disorder and nutritional medicine: a review of monotherapies and adjuvant treatments. Nutr Rev 67: 125-131. [陣内 瑶,山口律子共訳 香川靖雄監修(2009)大うつ病性障害と栄養医学:単剤療法と補薬療法についての再評価.栄養学レビュー 18, 30‒8.]


                    2) Murakami K, Sasaki S (2010) Dietary intake and depressive symptoms: a systematic review of observa tional studies. Mol Nutr Food Res 54: 471‒88.


                    3)久田哲也,石川俊次,大鈴文孝(2000)ホモシステインの測定意義.臨床栄養 96(臨時増刊号), 686‒90.


                    4) Hiraoka M, Kato K, Saito Y, Yasuda K, Kagawa Y (2004) Gene-nutrient and gene-gene interactions of controlled folate intake by Japanese women. Biochem Biophys Res Commun 316: 1210‒6.


                    日本栄養・食糧学会誌 第64巻 第4号 229‒238(2011)
                     

                     

                     

                    ◆奥平智之FBグループ

                     日本栄養精神医学研究会

                     食事栄養療法俱楽部

                     【テケジョ=鉄欠乏女子】

                     

                    ◆奥平智之著書

                     マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

                     単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
                     奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

                     

                    ◆奥平智之連載

                     精神看護にて2018年03月号から2年間予定

                     2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
                      

                     

                     


                    【精神疾患とタバコ】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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                      JUGEMテーマ:食事・栄養療法


                      本邦において、一般住民の喫煙率が41.46%に対し、統合失調症患者では64.86%となっています。

                      一方、アメリカの一般の喫煙率29.5%に対し、統合失調症患者では65%となっており、統合失調症患者の喫煙率は、国内外ともに高い。

                      さらに、日本の喫煙対策は、欧米先進諸国だけでなく、シンガポールやタイに比べても遅れていることも分かりました1)。

                       

                      タバコ によりほとんどの臓器や組織が喫煙による影響を受けます。
                      その例として、呼吸器、消化器、尿路系の癌が挙げられます。
                      現在わが国では全癌患者の約25%(男性肺癌患者の70%、女性肺癌患者の20%)が喫煙によるものと推定されています2)。

                       

                      また、精神障害の診断マニュアルDSM−犬砲茲襪函喫煙はニコチン依存と提示され、アルコールやコカイン、モルヒネなどの精神作用性薬と同じ依存性物質として取り上げられています3)。

                       

                      ニコチン依存になると不安、緊張、葛藤などの退薬現象が高まり、一時的な情緒不安定や精神疾患の悪化を生じることがあります。
                      また、気分や情緒的な部分に注意が向きやすく、ストレス耐性の低下となります4)。

                       

                      その一方、眠気、不安、錐体外路症状については、一時的な短期間の軽減効果がみられますが、身体全組織への悪影響、特にこの集団においては抗精神病薬の血中濃度の低下が生じ、周りの患者への受動喫煙の害があります。

                      また、看護師、特に精神科病棟に勤務する看護師において喫煙率が高い5)ことも指摘されており、このことが精神疾患をもつ患者への喫煙の助長になっている可能性もあります。

                       

                      1)島田忠雄:たばこと成人病/生活習慣病 日本と世界の喫煙対策 成人病と生活習慣病(2000);3(7): 845-849


                      2)吉見逸郎、祖父江友孝:たばこと成人病/生活習慣病 たばこと癌 成人病と生活習慣病(2000); 3(7):811-844 


                      3)日本看護協会:平成14年度事業計画(2004);12(04) 


                      4)宮里勝政:たばこはなぜやめられないか 岩波書店 (1993):26:166 


                      5)益田幾久江:グループミーティングで禁煙ルールを決め分煙化へ. 精神科看護(2004);31(139):14-19.

                       

                      Vol.7, 81-87, 2005 埼玉県立大学紀要
                       

                       

                       

                       

                      ◆奥平智之FBグループ

                       日本栄養精神医学研究会

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                       【テケジョ=鉄欠乏女子】

                       

                      ◆奥平智之著書

                       マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

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                       奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

                       

                      ◆奥平智之連載

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