【ラクトフェリンってなに?】Dr.奥平の栄養漢方治療講座<その他>

0

    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

     

    【ラクトフェリンってなに??】

    ラクトフェリン (Lf)は,乳中,特に初乳中に多く含まれる機能性タンパク質であり,Lf 1 分子あたり 2分子の鉄イオンをキレート結合する(包み込む)ことができます1)。
    鉄代謝 の調節《鉄吸収 の促進》だけでなく
    #抗菌,抗ウイルス,抗真菌,
    免疫賦活作用,
    細胞増殖
    などの生体防御作用が知られています2〜5)。
    また,抗ガン,抗アレルギー作用などの研究も盛んに進められています6)。
    近年,成熟動物(ラット)において,十二指腸に投与された Lf がリンパ系を介して体内へ輸送されること6),

    経静脈投与した Lf が脈絡叢上皮細胞の Lf 受容体を介してトランスサイトーシスにより脳脊髄液に輸送され,脳に到達することが明らかにされており7),
    脳に到達した Lf の生理機能に関する研究も進められています。
    そのひとつとして,Lf の『抗ストレス作用』が報告されています。

    哺乳期のラットを母体と引き離した場合,徘徊や超音波発声による不安行動が観察されますが,腹腔内に Lf を投与した場合に不安行動は軽減します8)。
    母体と引き離すことで示される不安行動は,オピオイド受容体拮抗薬であるナロキソン(NX)およびμオピオイド受容体拮抗薬(CTOP)を投与することにより抑制されることから,Lf の抗精神ストレス作用は
    μオピオイド を介していると推察されています8)。
    さらに成熟動物においても,Lf を腹腔内に投与した場合に抗精神ストレス作用が認められました9)。

    Lf の投与による抗精神ストレス作用は,一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害薬である L-NAME により抑制されました。
    Lf は神経細胞膜上のオピオイド受容体に結合しないことが確認されているため,Lf は μオピオイド受容体に結合することなく,NOS を活性化させることにより一酸化窒素(NO)を産生し,μオピオイド作用を亢進すると考えられています9)。

    即ち,Lf が消化酵素による分解を受けずにリンパ系を介して体内に移行した場合,神経系を介した抗ストレス作用を示す可能性があります。
    一方,Lf は #消化酵素 による分解を受けやすいという特徴を有しているため,経口摂取による抗ストレス作用の検証は,Lf を封入した腸溶性カプセル,または消化酵素耐性を有する Lf を用いる必要があります。
    腸溶性カプセル状の Lf をヒトに投与した場合の『月経痛 緩和効果』が示されています10)。

    しかし,ヒトが経口摂取した場合の Lf の精神ストレスに対する効果は報告されていません。
    1) Lonnerdal, B. and Iyer, S.: Lactoferrin: molecular structure and biological function. Anuu. Rev. Nutr.,15, 93-110 (1995)
    2) Anorld, RR., Cole, RM., and McGhee, JR.: A bactericidal eŠect for human lactoferrin. Science, 197,263-265 (1997)
    3) Anorld, RR., Brewer, M., and Gauthier, JJ.: Bactericidal activity of human lactoferrin: sensitivity ofa variety of microorganisms. Infect. Immum., 28,839-898 (1980)
    4) Kalmer, JR. and Anorld, RR.: Killing of Actinobacillus actinomycetemcomitans by human lac-toferrin. Infect. Immum., 56, 2552-2557 (1988)
    5) Yamauchi, K., Tomita, M., Giehl, TJ., and EllisonIII, RT.: Antibacterial activity of lactoferrin and a pepsin-derived lactoferrin peptide fragment. Infect. Immum., 61, 719-728 (1993)
    6) Kuhara, T., Igo, M., Itoh, T., Ushida, Y., Sekine,K., Terada, N., Okamura, H., and Tsuda, H.: Orally administered lactoferrin exerts an antimetastatic eŠect and enhances production of IL-18 in the intestinal epithelium. Nutr. Cancer, 38, 192-199 (2000)
    7) Takeuchi T., Kitagawa H., and Harada E.: Evidence of lactoferrin transportation into blood circulation from intestine via lymphatic pathway in adult rats. Exp. Physiol., 89(3), 263-270 (2004)
    8) Talukder, MJR., Takeuchi, T., and Harada, E.:Recptor-mediated transport of lactoferrin into cerebrospinal ‰uid via plasma in young calves. J.Vet. Med. Sci., 65, 957-964 (2003)
    9) Kamemori, N., Takeuchi, T., Hayashida, K., and Harada, E.: Suppressive eŠects of milk-derived lactoferrin on psychological stress in adult rats. Brain Res., 1029, 34-40 (2004)
    10) 前田隆子,原田悦守,腸溶性ラクトフェリンによる月経痛緩和と QOL の改善効果,母性衛生,48(2), 239-245 (2007)
    Milk Science Vol. 59, No. 2 2010

     

     

     

     

    元記事|奥平智之FB

    ◆奥平智之FBグループ

     日本栄養精神医学研究会

     食事栄養療法俱楽部

     【テケジョ=鉄欠乏女子】

     

    ◆奥平智之著書

     マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

     単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
     奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

     

     


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
          1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    << February 2020 >>

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    • 【金沢】奥平智之先生 栄養講義 ココロとカラダの健康は食事から 2019.4.20
      盒兇覆み (07/13)
    • 【BRAIN FOOD−鉄と成績・認知機能】Dr.奥平の栄養漢方治療講座<鉄>
      瀬川里香 (12/19)

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM