【血中ビタミンD濃度が癌の発症率と逆相関】Dr.奥平の栄養漢方治療講座

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    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

     

    血中ビタミンD濃度が癌の発症率と逆相関

     

    ビタミンD の #癌 予防における有用性を示唆した研究はいくつかあった。国立がんセンターのSanjeev Budhathoki氏らは、多目的コホート(JPHC)研究の一環としてケースコホート研究を行い、中央値15.9年の追跡で、血漿中の25-ヒドロキシビタミンD濃度が高い人では、その後のあらゆる癌と肝臓癌のリスクが低かったと報告した。

     近年、ビタミンDが、骨の健康維持以外に、いくつかの慢性疾患のリスク低減にも役立つ可能性を示すエビデンスが蓄積されており、癌もそこに含まれていた。
    in vitro研究では、ビタミンDは、細胞周期の停止、アポトーシス、血管新生、炎症などにかかわる複数の信号伝達経路を調節することにより、癌細胞に対する増殖抑制効果と分化誘発作用を発揮することが示されている。
    しかし、ヒトの血液中のビタミンDとあらゆる癌のリスクに関する情報は少なく、行われていた研究も小規模で、一貫した結果を示せていなかった。さらに、そうした研究のほとんどは、欧米で行われていた。

     そこで著者らは、血中のビタミンD濃度と、その後のあらゆる癌と部位別の癌の発症リスクの関係を調べるために、「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」(JPHCスタディ)の登録データを利用することとした。

    JPHCスタディの参加者は、1990年に日本の5地域で登録した40〜59歳の住民6万1595人と、1993年に別の6地域で登録した40〜69歳の住民7万8825人の合計14万420人。
    この中からベースラインの時点で質問表による健康調査に回答しており、さらに血液検査を実施していた3万3736人を、2009年12月31日まで追跡した。
    中央値15.9年の追跡で3734人が何らかの癌を発症していた。
    メラノーマ以外の皮膚癌の患者を除外し、データが欠損していた患者などを除いた3301人を分析対象にした。

     血漿中の25-ヒドロキシビタミンD濃度は酵素免疫測定法を用いて測定した。
    参加者は、性別と季節的な25-ヒドロキシビタミンD濃度の変化を考慮した上で、ベースラインの25-ヒドロキシビタミンD濃度に基づいて四分位群に層別化した。

     また、3万3736人の13%に相当するサブコホート4456人を選出し、癌患者の場合と同様に条件を満たさなかった人々を除外して、4044人をコントロールとした。サブコホートの最低四分位群1004人の血漿25-ヒドロキシビタミンD濃度の中央値は36.9nmol/L(四分位範囲31.2〜41.2nmol/L)、第2四分位群の1000人では48.4nmol/L(43.9〜53.9nmol/L)、第3四分位群の1016人では56.9nmol/L(52.9〜63.9nmol/L)、最高四分位群の1024人では72.6nmol/L(64.6〜82.4nmol/L)だった。 

     主要評価項目はあらゆる癌と部位特異的癌の発症率に設定。最低四分位群を参照群とし、加重Cox比例ハザードモデルを用いて多変量調整したハザード比を推定した。

     血漿25-ヒドロキシビタミンD濃度は、あらゆる癌の発症リスクと逆相関関係を示した。血中濃度の最低四分位群と比較すると、第2四分位群の補正ハザード比は0.81(95%信頼区間0.70-0.94)、第3四分位群は0.75(0.65-0.87)、最高四分位群は0.78(0.67-0.91)になった。

     続いて、血漿濃度に基づいて五分位群に患者を層別化し、最低五分位群を参照としてあらゆる癌のハザード比を推定したところ、それぞれ0.93(0.79-1.09)、0.76(0.65-0.90)、0.74(0.63-0.88)、0.83(0.70-0.98)となった。

     部位別の癌の中では、肝臓癌が25-ヒドロキシビタミンD濃度との間に逆相関関係を示した。最低四分位群を参照として推定したハザード比はそれぞれ、0.70(0.44-1.13)、0.65(0.40-1.06)、0.45(0.26-0.79)だった。一般的な共変数(年齢、性別、喫煙、飲酒、家族歴など)に加え、B型またはC型ウイルス肝炎の感染状態、ALT濃度を補正条件に追加しても、0.43(0.23-0.79)、0.51(0.27-0.96)、0.40(0.21-0.77)だった。

     これらの結果から著者らは、日本人の大規模住民コホート研究で、血中ビタミンD濃度が高い人では、その後の癌発症リスクが低いことが示唆され、ビタミンDには癌予防作用があるという仮説を支持した。
    だたし、血漿中のビタミンDの最適レベルは別の研究で調べる必要があると結論している。なお、この研究は厚生労働省などの支援を受けている。

     

    出典)
    日経メディカルon-line 2018/3/29
    海外論文ピックアップMJB誌より
     

    元文献)
    Plasma 25-hydroxyvitamin D concentration and subsequent risk of total and site specific cancers in Japanese population: large case-cohort study within Japan Public Health Center-based Prospective Study cohort

     

     

     

    ◆奥平智之FBグループ

     日本栄養精神医学研究会

     食事栄養療法俱楽部

     【テケジョ=鉄欠乏女子】

     

    ◆奥平智之著書

     マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

     単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
     奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

     

    ◆奥平智之連載

     精神看護にて2018年03月号から2年間予定

     2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )

     


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