【マグネシウムについて】Dr.奥平の栄養漢方治療講座<亜鉛・マグネシウム>

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    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

     

    マグネシウムについて


    マグネシウムは生体必須元素であり,鉄と同様に重要な役割を果たしています。

    その体内の存在量は金属元素としては Ca,K,Na についで4番目に多いです。

     

    体重1 kg当たりおよそ『0.5g』含まれ1),その『約55%が骨』に,『約25%が筋肉』に,約0.8%が細胞外液に,約0.3%が血漿中に存在します 2)。

     

    血漿中の濃度は0.5〜1mMであり3),その約65%はフリーのマグネシウムイオンとして,約15%は炭酸,リン酸,クエン酸,シュウ酸などの塩として,約20%はたんぱく質,主としてアルブミンと結合した状態で存在します 2)。

     

    『細胞内』では,マグネシウムはカリウムに次いで2番目に多い陽イオンであり,その濃度は5〜20mMです 2)。

    細胞内の全マグネシウムの 80〜90% はアデノシン三リン酸(ATP)と結合しており,ATP濃度の高いミトコンドリア内のマグネシウム濃度は細胞質の濃度よりもさらに高いです。
    細胞質内のフリーのマグネシウムイオン濃度は0.3〜0.6mMです。

     

    マグネシウムの生理機能としては,エネルギー代謝に関係した多くの『酵素の補因子』として働くこと,『カルシウム拮抗剤』であり,細胞内へのカルシウムの蓄積を抑制すること,また骨代謝に関与していることがよく知られています 4),5)。

    マグネシウム の代謝異常は
    高血圧症,動脈硬化症,不整脈などの循環器系疾患
    てんかんなどの神経系疾患
    糖代謝やインスリン感受性
    に関係します。

     

    ★マグネシウムの欠乏症として,
    振戦(筋肉の不随意的な震え)
    抑うつ状態,神経過敏,妄想,不安感,興奮,錯乱などの神経・精神障害
    不整脈,期外収縮,頻脈,心室性細動などの循環器障害
    が認められます 4)。

     

    一方,過剰症については,『経口投与』によるものは知られていません。

     

    ★非経口投与された場合,
    悪心,嘔吐
    筋力低下
    血圧低下
    が生じます。

     

    血清中のマグネシウム濃度が2.5mM程度になると深部腱反射が減弱・消失し,
    2.5〜4mMで呼吸麻痺,
    さらに濃度が上昇すると心停止が生じます 3)。

     

    ★生体内におけるマグネシウムの濃度は,
    腎臓での排泄・再吸収
    腸管での吸収
    によって調整されています。

     

     

    図は人体におけるマグネシウムの吸収・排泄と生体内分布・動的平衡状態を示します2)。

    日本におけるマグネシウムの目標摂取量は300 mg/日であり,
    通常では食品中に含まれるマグネシウム量の30〜50%が腸管から吸収されます。

    また,腎臓はマグネシウムの代謝調節の中心を担っており,血漿中のフリーのマグネシウムイオンおよびマグネシウム塩が毎日糸球体からろ過され,その95〜98%が尿細管において再吸収されます。

    尿細管における再吸収は血漿マグネシウム濃度の影響を受けるため,腸管からのマグネシウム吸収量の増加などにより血漿マグネシウム濃度が上昇すると,尿細管における再吸収量が低下し,結果として排泄量が増加し,血漿中のマグネシウム濃度は一定に保たれます。

     

    ★授乳時のように体内のマグネシウム濃度が低下した場合には,腎臓でのマグネシウム排泄量が低下し,マグネシウム欠乏が生じることを防いでいます。

     

    ★血液検査では、過剰はわかっても、不足は見逃されてしまいます!!
     

     

    参 考 文 献
    1)高妻孝光:生命元素事典(桜井弘編),オーム社,(2006),34–36
    2)石村栄治:マグネシウムの基礎と臨床日常診療および周術期 における役割(外須美夫編),真興交易(株)医書出版部, (2005),25–35.
    3)糸川嘉則:ミネラル・微量元素の栄養学(鈴木継美,和田攻 編),第一出版,(1994),313–327.
    4)斉藤昇:マグネシウム成人病との関係(糸川嘉則,斉藤昇 編),光生館,(1995),33–48.
    5)稲葉雅章,森井浩世:マグネシウム成人病との関係(糸川嘉則,斉藤昇編),光生館,(1995)103–117

     

     

    出 典
    軽金属 第 58 巻 第 11 号(2008),570–576

     

     

    ◆奥平智之FBグループ

     日本栄養精神医学研究会

     食事栄養療法俱楽部

     【テケジョ=鉄欠乏女子】

     

    ◆奥平智之著書

     マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

     単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
     奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

     

    ◆奥平智之連載

     精神看護にて2018年03月号から2年間予定

     2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )


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