【脳の細胞はどうなってる???】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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    JUGEMテーマ:精神医学(psychiatry)

    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

     

    脳の細胞はどうなってる???


    ヒトの脳は、1000億個の神経細胞(ニューロン)と、
    その10倍以上の数の「グリア細胞」から構成されています。

     

    《3種のグリア細胞》
    ミクログリア
    中枢系の免疫担当
    中枢神経系に存在する常在性マクロファージとも呼ばれる
    病態時には、細胞体の肥大化や細胞増殖を伴い活性化状態となる


    オリゴデンドロサイト
    神経伝達速度を上げるためのミエリン鞘をつくる


    アストロサイト
    星のような外見
    神経栄養因子をつくったり、グリコーゲンを貯蔵し、エネルギー源としてニューロンに供給するなどして神経細胞に栄養を与えたり、過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに除去することにより、神経細胞の生存と働きを助ける
    脳を有害物質から守る血液脳関門をつくる
    睡眠時に脳から有害物質を取り除く
    シナプス伝達効率や局所脳血流の制御

     

    日本生物物理学会 参照

     

    ※「人間は脳の1割ほどしか有効に使っていない」という俗説(脳の10パーセント神話)がありますが、これはグリア細胞の機能がよくわかっていなかった時代に、働いている細胞は神経細胞だけという思い込みから広まったものと言われています。

    脳スキャン画像が示すところによると、人間の脳は何をしている時でもすべての領域が活発に働きます。睡眠中であっても脳のすべての部分にある程度の活動が認められます。

    最近では脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損など何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあまり使われていない部分は代替的または補助的に活用されている可能性があると考えられています。

     

     

     

    ◆奥平智之FBグループ

     日本栄養精神医学研究会

     食事栄養療法俱楽部

     【テケジョ=鉄欠乏女子】

     

    ◆奥平智之著書

     マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ

     単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
     奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

     

    ◆奥平智之連載

     精神看護にて2018年03月号から2年間予定

     2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
     2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

    1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
    2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

    【うつ状態と栄養】 Dr.奥平*精神科医のひとり言

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      JUGEMテーマ:食事・栄養療法

       

      【うつ状態と栄養】 


      うつ状態に対する栄養療法として、葉酸を補助薬として使用する治療の有効性が報告されています1)。

       

      現在,食事から摂取できる栄養素の中でうつ状態との関連が示唆されているのは,DHA・EPA・α-リノレン酸等の n-3 系脂肪酸 1),葉酸を含むビタミンB 群です1)2)。

       

      葉酸 は メチオニンの代謝系でメチル基を供給する重要な栄養素です。経口摂取したアミノ酸から生じる有害なホモシステイン の代謝には葉酸,ビタミン B2,ビタミン B6,ビタミン B12が不可欠であり,これらの栄養素が欠乏することによって有害な血中ホモシステインが増加します3)4)。

       

      さらに,こうした反応には メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(以下,MTHFR)遺伝子多型が影響しており,MTHFR TT 型はその酵素活性が低下し,食品から十分に葉酸を摂取していても,低葉酸,高ホモシステイン血症 を招きやすいことが 300 人の日本人を分析して解明されました4)。
       
      1) Sarris J, Schoendorfer N, Kavanagh DJ. (2009) Major depressive disorder and nutritional medicine: a review of monotherapies and adjuvant treatments. Nutr Rev 67: 125-131. [陣内 瑶,山口律子共訳 香川靖雄監修(2009)大うつ病性障害と栄養医学:単剤療法と補薬療法についての再評価.栄養学レビュー 18, 30‒8.]


      2) Murakami K, Sasaki S (2010) Dietary intake and depressive symptoms: a systematic review of observa tional studies. Mol Nutr Food Res 54: 471‒88.


      3)久田哲也,石川俊次,大鈴文孝(2000)ホモシステインの測定意義.臨床栄養 96(臨時増刊号), 686‒90.


      4) Hiraoka M, Kato K, Saito Y, Yasuda K, Kagawa Y (2004) Gene-nutrient and gene-gene interactions of controlled folate intake by Japanese women. Biochem Biophys Res Commun 316: 1210‒6.


      日本栄養・食糧学会誌 第64巻 第4号 229‒238(2011)
       

       

       

       

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       2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
       2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

      1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
      2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

      【脳の「ミクログリア」ってなに??】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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        JUGEMテーマ:食事・栄養療法

         

        【脳の「ミクログリア」ってなに??】


        語源:Glue(のり・接着剤)から由来しています

        中枢神経系グリア細胞(マクロファージ)の一つです

        中枢の唯一の「免疫担当細胞」

         

        役割
        A.シナプスの形成と除去
        B.アポトーシスした細胞の除去 など

        脳には
        .縫紂璽蹈(2割:電気的な活動を担う)と
        ▲哀螢∈挧(8割)

        があります。

        グリア細胞は3つ。
        .▲好肇蹈汽ぅ函ΑΑΕ縫紂璽蹈鵑汎韻犬外胚葉由来
        ▲リゴデンドロサイト・・・ニューロンと同じく外胚葉由来
        ミクログリア・・・中枢ではまれな「中胚葉」に由来

         

        ★ミクログリアは、病態や障害において、細胞体の肥大化や細胞増殖を伴って形態を大きく変化させ,「活性化型のミクログリア」へと変化します。

         

        ★統合失調症の患者では,
        血清サイトカイン濃度上昇・酸化ストレスマーカーの異常などの報告から,その病態には「酸化ストレス・神経免疫系」の機序の関与が示唆され,最新の動物実験でも「酸化ストレス」との関連が示唆されています(1-3)。

        統合失調症患者に,
        々咳蠑斌堯↓抗酸化剤
        さらには,ミクログリア活性化の抑制作用を有するCOX2 阻害薬やす垣己質ミノサイクリンを投与することで精神症状が改善したという報告あります(4-7)。

        ミクログリア活性化は,サイトカイン,フリーラジカルなどの生体内物質を通じて,統合失調症の病態生理・精神症状形成に重要な役割を担っている可能性があるため,「ミクログリア活性化を制御すること」が新しい統合失調症の治療につながる可能性があります。

         

        ★また、自閉症関連疾患の患者の背外側前頭前皮質において13人のうち9人に「ミクログリアの活性化」が認められ,白質では細胞体の体積が増加し,灰白質では細胞の密度が上昇していたという報告もあります(8)。

         

        1)Frank MG, Baratta MV, Sprunger DB, et al(2007) Microglia serve as a neuroimmune substrate for stress−induced potentiation of CNS pro−inflammatory cytokine responses. Brain Behav Immun, 21 : 47−59


        2)Sugama S, Fujita M, Hashimoto M, et al(2007) Stress induced morphological microglial activation in the rodent brain ; involvement of interleukin−18. Neuroscience, 146 : 1388−1399. 


        3)Sugama S, Takenouchi T, Fujita M, et al(2009) Differential microglial activation between acute stress and lipopolysaccharide treatment. J Neuroimmunol, 207 : 24−31.


        4)Akhondzadeh S, Tabatabaee M, Amini H, et al(2007)Celecoxib as adjunctive therapy in schizophrenia; a double−blind, randomized and placebocontrolledtrial. Schizophr Res, 90 : 179−185.


        5)Levkovitz Y, Mendlovich S, Riwkes S, et al(2010)A double−blind, randomized study of minocycline for the treatment of negative and cognitive symptoms in early− phase schizophrenia. J Clin Psychiatry, 71 : 138−149.


        6)Miyaoka T, Yasukawa R, Yasuda H, et al(2008)Minocycline as adjunctive therapy for schizophrenia; an open−label study. Clin Neuropharmacol,31 : 287−292.


        7)Ng F, Berk M, Dean O, et al(2008)Oxidative stress in psychiatric disorders ; evidence base and therapeutic implications. Int J Neuropsychopharmacol, 11 : 851−876.


        8 ) Morgan, J. T., Chana, G., Pardo, C. A. et al.: Microglial activation and increased microglial density observed in the dorsolateral prefrontal cortex in autism. Biol. Psychiatry, 68, 368-376 (2010))

         

        加藤隆弘:Japanese Journal of Biological Psychiatry Vol.21, No.4, 2010
         

         

         

         

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         精神看護にて2018年03月号から2年間予定

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           2018年05月発行 (通常号) ( Vol.21 No.3 )

        1. 奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018
        2. 奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018

           


        【自閉症・統合失調症のリスク要因とグルタミン酸】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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          自閉症・統合失調症のリスク要因とグルタミン酸
          統合失調症 の主要な仮説の1つとして,「神経発達障害仮説」があります.
          統合失調症患者では,海馬・扁桃体の細胞構築の異常や萎縮,側脳室・第掲昭爾粒搬腓認められます.
          グルタミン酸トランスポーターの機能障害が統合失調症に似た神経発達障害を引き起こすのではないかという仮説を考えました.

           

          統合失調症患者で遺伝子異常が報告されている
          グリア型グルタミン酸輸送体(GLASTおよびGLT1)の両者を欠損させたダブル欠損マウス(DKマウス)を作製し,脳形成期における『グルタミン酸機能亢進状態』を再現しました(1).

           

          DKマウスは胎生17日以降に死亡し,大脳皮質・海馬の層形成障害,扁桃体の核形成障害,側脳室・第掲昭爾粒搬腓覆錨合失調症に似た神経発達障害を示しました.

          これらの脳発達障害は,グルタミン酸受容体NR1の欠損により正常化されました(2).


          さらに,DK マウスの脳では,視床に神経細胞死が見られました.
          統合失調症患者では,視床の体積減少,課題遂行中の血流低下,代謝異常が報告されています.

          以上の結果は,胎児期のグルタミン酸トランスポーターGLAST・GLT1の機能障害は,統合失調症に似た神経発達障害を起こすことを示しています.

           

          また,統合失調症のリスク要因として報告されている
          胎児期・周産期の栄養障害(3),
          脳虚血(4),
          ウイルス感染(5,6)
          は,グルタミン酸トランスポーター の機能を阻害することが知られています.

           

          これらのことは,アストロサイトに発現するグルタミン酸トランスポーターの機能障害は,統合失調症の発症に関与することを示しています.

           

          最近,統合失調症の発症危険状態を発症へと移行させる要因として,『海馬における細胞外グルタミン酸濃度の上昇』が報告されました(7).

           

          グルタミン酸トランスポーターGLT1を可逆的に欠損させるのマウスの解析は統合失調症の発症危険状態を発症へと移行させる分子機序を解明するのに貢献すると期待されます.


          統合失調症の発症危険状態を発症へと移行させる機序の解明は,早期介入による統合失調症の発症予防法の開発に役立つと考えられます.

           

          また、自閉症は,社会性行動の喪失や言語発達の遅延を特徴とする脳高次機能の発達障害です.
          『グルタミン酸神経伝達系の亢進』は自閉症の重要なリスクであり,脳の形成に極めて重要な役割を持ちます.
          自閉症様の行動を示す脆弱X症候群や結節性硬化症の患者では,グルタミン酸神経伝達の亢進が報告されています.

          自閉症のゲノムワイドな連鎖解析により,11番染色体の11p12-13が自閉症に関連があることが明らかになりました(8).この領域はGLT1の遺伝子座です.

           

          ★自閉症や統合失調症の病態の解明が進み、新たな治療法が一日も早く確立されますように!

           

          1)Matsugami TR, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2006;103:12161- 12166.


          2)Aida T, et al. PloS One. 2012;7:e36853. 


          3)Eyles D, et al. J Steroid Biochem Mol Biol. 2007;103:538-545. 


          4)Raymond M, et al. J Neurosci. 2011;31:17864-17871. 


          5)Fotheringham J, et al. J Neuroimmune Pharmacol. 2008;3:105- 116. 


          6)Costello DA, et al. Hippocampus. 2013:23;696-707. 


          7)Schobel SA, et al. Neuron. 2013;78:81-93.


          8)Autism Genome Project Consortium, et al. Nat Genet. 2007;39:319-328.


          日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)142,291〜296(2013)

           

           

           

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          【うつ状態と栄養】Dr.奥平の栄養精神医学講座<その他>

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            JUGEMテーマ:食事・栄養療法

             

            うつ状態と栄養】 
            うつ状態に対する栄養療法として、葉酸を補助薬として使用する治療の有効性が報告されています1)。

             

            現在,食事から摂取できる栄養素の中でうつ状態との関連が示唆されているのは,DHA・EPA・α-リノレン酸等の n-3 系脂肪酸 1),葉酸を含むビタミンB 群です1)2)。

             

            葉酸 は メチオニンの代謝系でメチル基を供給する重要な栄養素です。経口摂取したアミノ酸から生じる有害な ホモシステイン の代謝には葉酸,ビタミン B2,ビタミン B6,ビタミン B12が不可欠であり,これらの栄養素が欠乏することによって有害な血中ホモシステインが増加します3)4)。

             

            さらに,こうした反応には メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(以下,MTHFR)遺伝子多型が影響しており,MTHFR TT 型はその酵素活性が低下し,食品から十分に葉酸を摂取していても,低葉酸,高ホモシステイン血症 を招きやすいことが 300 人の日本人を分析して解明されました4)。
             
            1) Sarris J, Schoendorfer N, Kavanagh DJ. (2009) Major depressive disorder and nutritional medicine: a review of monotherapies and adjuvant treatments. Nutr Rev 67: 125-131. [陣内 瑶,山口律子共訳 香川靖雄監修(2009)大うつ病性障害と栄養医学:単剤療法と補薬療法についての再評価.栄養学レビュー 18, 30‒8.]


            2) Murakami K, Sasaki S (2010) Dietary intake and depressive symptoms: a systematic review of observa tional studies. Mol Nutr Food Res 54: 471‒88.


            3)久田哲也,石川俊次,大鈴文孝(2000)ホモシステインの測定意義.臨床栄養 96(臨時増刊号), 686‒90.


            4) Hiraoka M, Kato K, Saito Y, Yasuda K, Kagawa Y (2004) Gene-nutrient and gene-gene interactions of controlled folate intake by Japanese women. Biochem Biophys Res Commun 316: 1210‒6.


            日本栄養・食糧学会誌 第64巻 第4号 229‒238(2011)
             

             

             

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             2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )
              

             

             


            【精神疾患とタバコ】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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              JUGEMテーマ:食事・栄養療法


              本邦において、一般住民の喫煙率が41.46%に対し、統合失調症患者では64.86%となっています。

              一方、アメリカの一般の喫煙率29.5%に対し、統合失調症患者では65%となっており、統合失調症患者の喫煙率は、国内外ともに高い。

              さらに、日本の喫煙対策は、欧米先進諸国だけでなく、シンガポールやタイに比べても遅れていることも分かりました1)。

               

              タバコ によりほとんどの臓器や組織が喫煙による影響を受けます。
              その例として、呼吸器、消化器、尿路系の癌が挙げられます。
              現在わが国では全癌患者の約25%(男性肺癌患者の70%、女性肺癌患者の20%)が喫煙によるものと推定されています2)。

               

              また、精神障害の診断マニュアルDSM−犬砲茲襪函喫煙はニコチン依存と提示され、アルコールやコカイン、モルヒネなどの精神作用性薬と同じ依存性物質として取り上げられています3)。

               

              ニコチン依存になると不安、緊張、葛藤などの退薬現象が高まり、一時的な情緒不安定や精神疾患の悪化を生じることがあります。
              また、気分や情緒的な部分に注意が向きやすく、ストレス耐性の低下となります4)。

               

              その一方、眠気、不安、錐体外路症状については、一時的な短期間の軽減効果がみられますが、身体全組織への悪影響、特にこの集団においては抗精神病薬の血中濃度の低下が生じ、周りの患者への受動喫煙の害があります。

              また、看護師、特に精神科病棟に勤務する看護師において喫煙率が高い5)ことも指摘されており、このことが精神疾患をもつ患者への喫煙の助長になっている可能性もあります。

               

              1)島田忠雄:たばこと成人病/生活習慣病 日本と世界の喫煙対策 成人病と生活習慣病(2000);3(7): 845-849


              2)吉見逸郎、祖父江友孝:たばこと成人病/生活習慣病 たばこと癌 成人病と生活習慣病(2000); 3(7):811-844 


              3)日本看護協会:平成14年度事業計画(2004);12(04) 


              4)宮里勝政:たばこはなぜやめられないか 岩波書店 (1993):26:166 


              5)益田幾久江:グループミーティングで禁煙ルールを決め分煙化へ. 精神科看護(2004);31(139):14-19.

               

              Vol.7, 81-87, 2005 埼玉県立大学紀要
               

               

               

               

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              ◆奥平智之著書

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               単行本(ソフトカバー) – 2017/11/11
               奥平 智之  (著),‎ いしいまき (イラスト)  

               

              ◆奥平智之連載

               精神看護にて2018年03月号から2年間予定

               2018年03月発行 (通常号) ( Vol.21 No.2 )


              【『炎症』と血液検査でみるα2 分画】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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                JUGEMテーマ:精神医学(psychiatry)

                JUGEMテーマ:食事・栄養療法

                 

                『炎症』と血液検査でみるα2 分画
                Haptoglobin (Hp): フェノタイプとして、Hp1-1、Hp2-1、Hp2-2 の 3 種類がある。

                 
                ヘモグロビン (Hb)のキャリアなので、体内で溶血が起こるとHbと結合して消費され測定限界以下にまで激減する。 
                また、急性肝炎など肝臓での合成障害があっても低値となる。

                 

                一面、代表的『急性期反応物質』としてあらゆる 炎症 の場合に数倍にも増加する。

                 

                炎症と溶血が共存するときは溶血の影響をより多く受け、増加が鈍るか又はときによると炎症があるのにもかかわらず減少する。

                α2-macroglobulin (α2-M): 高脂血症、ネフローゼで増加する。ネフローゼのときは基準値の 3 倍ほどにも達することがある。本来の機能はプロテアーゼ・インヒビターである。

                 

                α2 分画の量は『炎症』のときは、
                 Hp の増加、
                ネフローゼ、高脂血症では α2-M の増加によって増える。

                ネフローゼのときは Hp もしばしば増加する。


                一方、低下については、α2-M が減少する病態はまれなので、この分画の減少はほとんどの場合Hp の減少が原因である。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                ◆奥平智之FBグループ

                 日本栄養精神医学研究会

                 食事栄養療法俱楽部

                 【テケジョ=鉄欠乏女子】

                 

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                【ベンゾジアゼピン系受容体作動薬の副作用】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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                  JUGEMテーマ:食事・栄養療法

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                  【ベンゾジアゼピン系受容体作動薬の副作用】

                  ○ 吐き気、頭痛、めまい、転倒などの副作用により、交通事故が2.2倍に増加します。

                  Hansen RN, et al. Am J Public Health. 2015;105:64-9.

                  Sedative Hypnotic Medication Use and the Risk of Motor Vehicle Crash.

                   

                   

                  ○ 高齢者だと転倒による大腿骨頸部骨折が1.6倍に増加することが報告されています。これはアルツハイマー病の有無に左右されません。

                  Saarelainen L, et al. J Am Med Dir Assoc. 2017;18: e15-87.e21.

                  Risk of Hip Fracture in Benzodiazepine Users With and Without Alzheimer Disease.

                   

                   

                  ※睡眠薬や抗不安薬などの多くがベンゾジアゼピン系作動薬

                   

                   

                  ◆奥平智之FBグループ

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                   【テケジョ=鉄欠乏女子】

                   

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                   精神看護にて2018年03月号から2年間予定

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                  【尿酸値が正常範囲内であっても 腎臓に悪影響の可能性!?】Dr.奥平*精神科医のひとり言

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                    JUGEMテーマ:食事・栄養療法

                     

                    【尿酸値が正常範囲内であっても 腎臓に悪影響の可能性!?】

                     

                    概要
                     医学研究科 代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学の上殿 英記(うえどの ひでき)大学院生、津田 昌宏(つだ あきひろ)講師、石村 栄治(いしむら えいじ)特任教授らのグループは、ヒトの腎臓の機能と血流量を正確に測定する方法と微細血管抵抗計算式※1を用いて、尿酸と腎臓の微細動脈血管抵抗値※2との関連について研究しました。その結果、血清尿酸値が正常範囲内であっても、軽度の高値あるいは低値の状態で、腎臓の輸入細動脈血管抵抗値※2の上昇がみられること、また、腎臓への血流や機能が低下することを世界で初めて明らかにしました。
                     近年、高尿酸血症は痛風を引き起こすだけでなく、高血圧症、糖尿病、動脈硬化症などの生活習慣病や腎機能障害と関連すると言われています。また、低尿酸血症では急性腎不全が引き起こされることや、血管内皮障害を引き起こすことが知られています。その原因は、尿酸値の上昇や低下に伴い、過酸化ラジカル※3や酸化ストレスが増加することで微細動脈の血管障害が引き起こされるためだと考えられていますが、未だ解明されていない部分も多く、実際にヒトの腎臓において本当に微細血管障害がみられるのかは分かっていませんでした。
                     本研究成果は、これまで想定されていた血清尿酸値の範囲内(高尿酸血症7.0mg/dL以上、低尿酸血症2.0mg/dL以下)ではなく、より狭い範囲内において尿酸値を正常に保つことが、腎臓を保護するうえで非常に重要であることを明瞭に示したもので、日常内科診療において大変重要な新しい知見と考えられます。
                     本研究成果は、平成29年6月1日(木)19時30分(日本時間)に米国生理学会誌「American Journal of Physiology-Renal Physiology」電子版に掲載されました。


                    ※1 微細血管抵抗計算式
                    Gomezの式と呼ばれ、血圧、腎血漿流量等から微細血管抵抗の値を求める計算式。

                     

                    ※2 微細動脈血管抵抗・輸入細動脈血管抵抗
                    腎臓には老廃物を濾過するために腹部大動脈から分岐した血管から非常にたくさんの血液が送り込まれており、分岐した血管は枝分かれを繰り返し、非常に細い血管(輸入細動脈)として腎糸球体(血液を濾過する構造物)に入る。これらの細い血管は内腔の圧(腎微細動脈血管抵抗)を微調整することで腎臓への血流を保っている。これらの機能が破綻すると、腎臓への血流が落ち腎臓の機能が低下する。

                     

                    ※3 過酸化ラジカル
                    活性酸素の一種であり人体に必要であるが、毒性が強く体内の細胞に障害を与えるためその有害性が指摘されている。癌や生活習慣病、老化の原因になると言われている


                    【発表雑誌】
                    American Journal of Physiology - Renal Physiology
                     

                    【論文名】
                    U-shaped relationship between serum uric acid levels and intrarenal 
                    hemodynamic parameters in healthy subjects

                    「血清尿酸値の軽度の上昇や軽度の低下で、腎微細動脈の血流異常がもたらされる 
                    −血清尿酸値の厳密な管理が必要−」

                     

                    【著者】
                    Hideki Uedono, Akihiro Tsuda, Eiji Ishimura, Shinya Nakatani, Masafumi Kurajoh, Katsuhito Mori, Junji Uchida, Masanori Emoto, Tatsuya Nakatani, Masaaki Inaba


                    研究の背景
                     日本では高尿酸血症の患者さんは約500万人存在※4するといわれています。食生活の欧米化により、生活習慣病は年々増加傾向にあり、以前から管理の重要性が認識されていました。また近年、これまで内科的にはあまり重要視されてこなかった高尿酸血症が、痛風を引き起こすだけでなく、他の生活習慣病にも密接に関連していることや、腎機能障害の危険因子であるということが明らかとなり、血清尿酸値を正常に保つことの重要性も注目されてきました。日本では慢性腎臓病の患者さんは1330万人、慢性腎臓病が悪化した透析患者は約32万人存在※5しており、慢性腎臓病は新たな国民病と言っても過言ではありません。しかし、慢性腎臓病は一旦発症すると正常に戻すことはとても困難なため、慢性腎臓病の予防・早期発見は急務となっています。そこで私たちは、生活習慣病や腎機能障害や血清尿酸値の異常が指摘されていない健康な方を対象に、腎機能と尿酸の関連について検討を行いました。
                    ※4 痛風と核酸代謝/ 30巻, 1号, 1-5頁/ 発行年 2006年
                    ※5 一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会 2015
                    研究の内容
                    対象
                    腎移植ドナー候補者48名(男性19名、女性29名)、蛋白尿陰性、糸球体濾過率(GFR)が60ml/min/1.73m2以上、腎機能が正常で高尿酸血症やその他の生活習慣病のない健康な方。全員、移植ドナーとなりうるかどうか、腎臓の精密な機能精査を受けるために本学附属病院に入院された方です。
                    方法
                     腎臓の機能および血流量は最も正確に評価でき、また保険診療で測定することができるイヌリンクリアランス(Cin)及びパラアミノ馬尿酸クリアランス(Cpah)で評価しました。1%イヌリンと0.5%パラアミノ馬尿酸を溶かした生理食塩水を点滴し、イヌリンとパラアミノ馬尿酸の血中濃度を一定にした後に(点滴開始45分後)、完全排尿。その後、定常状態になっている90分の間の血液と尿のイヌリンとパラアミノ馬尿酸の濃度を測定し、計算式(クリアランス)を用いることで、腎機能を正確に評価できます(図1)。
                    輸入細動脈を含む微細動脈の血管抵抗値は、上記の方法で測定したイヌリンクリアランス、パラアミノ馬尿酸クリアランス、ならびに血圧と血中の総蛋白濃度を計算式(Gomezの式)に入れて計算し、腎臓の微細動脈の抵抗値を計算しました。
                    結果
                    尿酸と腎機能(糸球体濾過率:GFR)や腎血流量(腎血漿流量:RPF)は逆U字関係を認めました(図2)。これは尿酸値が軽度に高くても、また逆に軽度に低くても、腎機能や腎血流量の低下と関連することを意味します。また、尿酸は輸入細動脈血管抵抗とU字関係を認めました(図3)。これは、尿酸値が高くても、またその値が逆に低くても、輸入細動脈の血管抵抗の上昇と関連することを意味します。年齢、性別、体格指数(BMI)、収縮期血圧で補正しても、尿酸値が3.5 mg/dL未満あるいは6.0 mg/dL以上であっても、糸球体濾過率の低下や輸入細動脈の血管抵抗値の上昇と関連していることが分かりました。

                     


                    図2 「血清尿酸値と糸球体濾過率ならびに腎血漿流量の関連」

                     


                    図3「血清尿酸値と輸入細動脈血管抵抗、糸球体内圧との関連」
                     
                    本研究により明らかとなったこと
                    1. 尿酸は正常値の範囲内であっても、軽度の高値あるいは軽度の低値の状態であれば腎臓の微細動脈の血管抵抗値を上昇させ、腎機能の低下と関連する。
                    2. 尿酸値が正常値より低い場合でも腎機能や腎血流が低下するため、低ければ低いほど良いというわけではない。
                    これらの結果により尿酸値に対する従来の認識を改め、今後、尿酸値を適正に管理することの重要性を意識するきっかけになることを期待しています。
                    今後の展開について
                    現在、尿酸低下薬の薬物治療を行う事により、腎臓の機能や微細動脈血管抵抗値がどのように変化するかを研究中です。適正に尿酸値コントロールを行うことで、腎不全などの腎臓病や尿酸値に起因した生活習慣病が予防できるようになることを目標に、引き続き研究を進めてまいります。

                     

                    医学研究科 代謝内分泌病態内科学 津田 昌宏

                     

                     

                     

                     

                    ◆奥平智之FBグループ

                     日本栄養精神医学研究会

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                    【認知症とコレステロール】Dr.奥平*精神科医のひとり言

                    0

                      JUGEMテーマ:認知症

                       

                      認知症とコレステロール


                      高齢者の中でも特に高齢の人では、総コレステロール(TC)値の上昇が認知機能低下リスクの低さに関連するという予想外の研究結果が「Alzheimer's & Dementia」3月4日オンライン版に掲載されました。

                       

                      中年期以降のTC値の上昇は、84歳以下の高齢者では認知機能低下リスクを高めますが、85歳以上の高齢者では同リスクを低減することが分かったといいます。

                       

                      この研究を実施したのは米マウントサイナイ・アイカーン医科大学精神医学教授のJeremy Silverman氏ら。
                      マサチューセッツ州フラミンガムの住民を対象とした疫学研究であるフラミンガム研究に参加し、研究登録時の認知機能が正常だった男女約1,900人のデータを分析しました。

                       

                      その結果、中年期と比べてTC値が上昇すると、75〜84歳の高齢者では研究登録時から10年後までに認知機能が低下するリスクが50%高くなったが、85〜94歳の高齢者では同リスクが32%低くなることが明らかになった。
                      また、スタチンの使用が認知機能低下の抑制に関連することも分かったが、加齢に伴いその効果は低下していた。

                       

                      ただし、この研究結果について、Silverman氏は「85歳以上の高齢者は、認知症予防のためにコレステロール値を高めるようにした方が良いことを示したものではない。また、因果関係が証明されたわけではない」と強調し、慎重な解釈を求めています。


                      その上で、同氏は「85歳になると、突然コレステロールが健康に良いものになるわけではない。高コレステロールというさまざまな疾患のリスク因子がありながらも85歳まで長生きできるような人は、高コレステロールによる悪影響から身を守ってくれる何らかの因子を兼ね備えている可能性が高い」と説明。


                      「今後、こうした高齢者をターゲットとした研究を実施すれば、認知機能の保護に関連した因子を明らかにすることができる可能性がある」と期待を示しています。

                       

                      一方、この研究には関与していない専門家で、アルツハイマー協会学術プログラムのディレクターを務めるKeith Fargo氏も、「心臓の健康に関連した因子は、高齢者の認知機能に強く影響する」とした上で、「認知機能の低下を抑制するためには高齢になってもコレステロール低値を維持することが重要だ」と強調しています。


                      また、同氏は「年齢を重ねても認知機能が低下しない、未知の保護的な因子を持ち合わせている高齢者が一部には存在しているようだ。しかし、こうした人たちには平均的な高齢者とは違った、何らかの特徴があるのだろう」と話しています。

                       

                      Silverman JM, et al. Alzheimers Dement. 2018 Mar 1.

                       

                       

                       

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